オスとメスを厳密にペアにしなくても、メダカを複数匹飼っていれば産卵してくれます。私の住んでいる神戸だと、4月末あたりからぼちぼち卵を付け始める感じです。写真は抱卵したメダカ。朝にはこのような状態になっていますが、すぐに水草に卵を付着させるので昼頃には身軽になっていることが多いです。夏にかけて、毎日のように頻繁に抱卵する姿が楽しめます。
卵の採取
卵の採取で一番簡単でメダカにも負担をかけない方法は、ホテイアオイを浮かべておきその根っこに付着した卵を回収することです。ホテイアオイの根っこはかなりの確率で卵が付いてます。人工の産卵床も売ってますが、見た目がイマイチなのでホテイアオイがオススメです。
最初、私は不安だったので抱卵したメダカから直接卵を採取しました。やり方としては、茶こしで抱卵している個体を隔離し、冷やした指でそっと卵を取ります。暴れる子もいるので、無理して個体を傷つけないよう卵だけを軽くつまむようにするのがコツです。水草が少なかったり、卵が中々見つからない場合はこの方法で採取しましょう。
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採取した卵は毎日観察します。孵化するまでの日数は「水温×日数=250」と言われており、春先だと大体水温が20℃前後なので2週間弱程度でしょうか。
最初は水道水でOKです。むしろ水道水の方が殺菌成分が入っているので卵には良いみたいです。水カビを防ぐためにも頻繁に水替えしてあげます。しかし孵化した稚魚に水道水は有害なので、孵化が近づいてきたら汲み置きした水に切り替えましょう。
ずっと観察していると目が見えてきたり、中で動いたりするのを確認できます。
孵化と稚魚の飼育
毎日観察していると、何か動いているものに気付くはずです。そう、孵化したメダカが水面近くを泳いでいるのです。生まれたばかりのメダカはとても小さく、目を凝らさないと見えない大きさ。この状態を「毛子」と呼ぶらしいです。髪の毛ほどの大きさなので。そしてもう少し成長すると「針子」。それでも小さいですね。
生まれたての子は、お腹にヨークサックという養分の袋みたいなものを付けているので、しばらくは何も食べなくてOKです。しかし、そのまま放っておくとアッという間に数が少なくなることでしょう。この時期のメダカの生存率を上げるためには、ある程度経験が必要だと思います。
よく言われるのが「グリーンウォーター」(または青水)と呼ばれる緑色の水。日当たりの良いところに水槽を置いておくと水が緑色になるアレです。あまり良いイメージはありませんが、アオコ等の植物プランクトンが豊富で、メダカの稚魚にとっては良い環境らしいのです。綺麗な水に入れるよりも、ある程度外で放置してプランクトンが整った状態の水の方が生存率が高い気がします。
ただし、エサが完全に不要という訳ではありません。飼育する個体数によってはエサが必要なので稚魚用のエサなどを少量ずつ回数を分けて与えましょう。ちゃんと食べているか、食いつきを見ながらあげてください。
しばらく飼育していると、極端に大きい子達が必ず出てきます。「トビ」というらしいです。下の写真はすべて同年代の子達ですが、これだけ差が付いてしまいます。エサを上手く取れるかどうかでここまで差が出るんだと思いますが、自然界の縮図ですね。
親との合流
稚魚のうちは親と一緒にしてはいけません。パクっといかれます。彼らにとって親子の概念は無く、動くもので口に入るものはすべてエサなのです…。なので、合流する最低限の判断基準は「口に入らない大きさになること」です。
ただ、体格差があるといじめられたり食いっぱぐれることもあるので、できるだけ差が少なくなってから合流させた方が良いと思います。
ちなみに、毎年孵化させるととんでもない数があっという間に増えていきます。しかも飼育下でのメダカは意外と長生き。2、3年は生きます。したがって、以下の条件を満たさない場合は、毎年孵化させるのは止めましょう。
- メダカがすぐに死んでしまう場合
- 貰い手がある場合
- 庭が広くて沢山の飼育スペース(容器)を確保できる場合
くれぐれも、持て余したからといって自然に放流しないようにしてください!日本固有種のメダカは絶滅危惧種です。観賞用に品種改良されたメダカを放すと、固有種の遺伝子汚染につながります。責任ある飼育を心がけましょう。